能登半島第13次派遣(20240810-15)第14次派遣(20240824-26)

20240101能登半島地震

〇能登半島地震第13次派遣(夏祭り)

〇能登半島地震第14次派遣

◎全体をとおして

8月も二度の派遣を遂行し、私たちが拠点を置いて支援させていただいている輪島市門前町浦上地区では、7月の御神事「獅子舞」に続き8月は「納涼祭」が執り行われた。
私たち救援隊も前半の派遣では長期滞在をして、無料の美容室や、納涼祭の日は炊き出しの後に屋台を出して便乗させていただいた。
 まずは前半の13次派遣では、島薗進先生(東京大学名誉教授)や稲場圭信先生(大阪大学大学院教授)の視察があり、美容室をはじめ、少数の昼の炊き出しを4回、夜の炊き出しを3回、夏祭りの屋台出店など、盛りだくさんの内容で活動させていただけた。
 美容室には22名の方が来てくださり、これまで半年以上髪を切るどころの生活ではなかった方々が奇麗になっていく姿を見ることが出来てよかった。
 なかでも、現地の方が一年で一番楽しみにしている「納涼祭」では、浦上公民館館長・門前町総区長の喜田充氏が冒頭の挨拶で、

『まずはここまで、今年の1月の発災より、寒い中・猛暑のなか、一日中立ちっぱなしで私たちのために献身的な活動をしてきてくださいました金光教さん、金光教大阪災害救援隊のみなさんに御礼を申し上げます。
 本年元日の大地震により、我々は本当に味わったことのない辛さを経験しました。
 思い出してみると、発災直後は食べるものもない、寝るところと言えばこの公民館の講堂に100人以上の人が雑魚寝をして、横になると人の足が頭のところにあったり、自分の足が他人の頭にあたったりと、どちらが上でどちらが下か、もうわけのわからない状況にありました。
そんななかで、少しずつ仮設住宅への入居も始まり、少しずつ落ち着いた生活が出来るようになってきましたが、まだまだ復興といえるようなものではなく不自由なことばかりです。でも、沈んでばかりはいられません。少しでもみんなで元気を出してやっていこうと、みなさんが毎年楽しみにしている納涼祭を開催することにしました。
 どうかみなさん、今日ばかりは、このひと時ばかりは、辛かったことや不自由で苦しんでいることを忘れて、祭りを楽しんでいただければと思います。
 最後に、金光教さんには、皆が本当に感謝しています。どうかみなさん、今日もこうして私たちのために活動してくださり、ここまでのことにも感謝の気持ちをもって、盛大な拍手をお願いします』

と、私たちを大拍手で迎えてくださり、納涼祭が始まった。
 祭りでは、現地の方が催す屋台(焼鳥など)と、私たちも「唐揚げ、フライドポテト、ラムネ、ビール」を提供した。
 盆踊りでは「踊った人はティッシュ一箱がもらえますよ!」の掛け声とともに、たくさんの方が踊った。そして祭りも佳境を迎えるころ、皆が毎年一番楽しみにしている豪華景品がたくさん当たる(見たこともないほど大量の景品が展示してある)大抽選会があり、私たちも参加させていただいた。私たちにも扇風機、シャインマスカット、メロンが当たり、当たるたびに会場のみなさんからの拍手喝采をいただいた。
 祭りが終わるとみなさんが私たちのところに来てお礼を申されてから仮設住宅に帰っていかれた。ある方は「これまで半年以上、二次避難で金沢市内のカプセルホテルに居て、一人だしコンビニで買ったものばかり食べていました。今日は久しぶりに手作りのおいしいご飯を食べました。これからもよろしくお願いします」とおっしゃる姿を見て、私たちの活動が本当に喜ばれ、今の傷ついた被災者の方々にとってかけがえのないものになっていることを実感させていただける回となった。
 夏祭りで夜遅くなったため、翌日の朝から撤収作業(本来ならば夜のうちに撤収作業)をして、救援隊の隊訓『来た時よりもキレイにしてから帰る』の通り綺麗に掃除をしてから出発したが、明るいところでの掃除は気持ちの良いものであった。
 8月後半の第14次派遣も無事に終えることができ、やはり納涼祭以降は被災者の方々との距離感もグッと近くなった。
本来ならば15分もあれば配り終えるはずの炊き出しを、みなさんと会話をしながらお配りするので、だいたい1時間かかるが、その待ち時間が被災者の方同士が話し合ったり、愚痴を言い合える時間になったりして、非常に良い時間になっている。
 そしてなによりも、『あなたたちの訪問を楽しみにしています。折れそうになる私の心の支えになっています』と言っていただいて、私たちの存在意義があると思っている。
 また公民館の館長さんからは、新しい荷物置き場を用意していただき、申し訳ないほどたくさんの備品を預かっていただいている。信頼をいただいている証でもあろう。
 第14次派遣では、大型台風の影響もあり、暑さに加えて急な豪雨とえげつない雷に襲われた。近くに落雷することもあったが、隊員が誰も臆することなく笑って作業をしている姿を見て、「人のお役に立つ」ことを改めて思った。
 その豪雨によって仮設住宅が瞬く間に水浸しになったり下水が溢れたりして大変な思いをされたが、炊き出しには皆さん来られて笑顔で帰っていかれる姿を見ても、私たちが少しでも心の支えになれてきたと実感している。
 以上、8月度の報告とさせていただきます。
 ご支援をくださっている皆様には、いつも暖かい励ましのお言葉やたくさんのご支援をいただきありがとうございます。
 引き続きご支援のほど、よろしくお願い申し上げます。
(文責・竹内真治)