平成30年7月豪雨災害 第14次派遣(6/25-27)

派遣報告書

平成30年7月豪雨災害 第14次派遣(6/25-27)

○全体をとおして

6月は三度にわたって岡山県・真備町を訪問している。
本来ならばこのようなペースで災害派遣を行うことは容易ではないのだが、赤い羽根共同募金をはじめ、金光教本部、本部職員、倉敷市社会福祉協議会、大阪大学など、多方面からの協力をいただき実現している。
我々の開催する「光キッチン(炊き出し)」や「光カフェ」は、全国どこの被災地に行っても好評でお役に立ってきている。
岡山県・真備町においても、毎回提供する食数も増え、それに従って会話もはずんでコミュニティー構築の一助を担う役割や、寄り添いの活動、その他諸々の成果を出してきており、被災者の方々と我々の関係も構築されてきている。

毎回参加してくださるOさんはプロの写真家で、個展を開いたりして生計を立てているが、この夏のはじめには体を悪くされて入院を余儀なくされた。同居の弟さんに伺うと「兄貴は気丈で、人前ではシャキッとしているが、その分、家に帰ると疲れが出るのです。仮設住宅暮らしでストレスを抱えるなか、顔が広いこともあって、メディアからの取材なんかも多く、無理をし過ぎて倒れてしまったのです」ということであった。

後日、退院なさったので「仮設に来ても入院されたと聞いたので心配しましたよ」と話していると、パッと私の腕をつかんで「あんた、どんな時計をつけている?」と言って私の時計を見た。
「安物の防水時計ですよ」と言うと、「あんたたちには並々ならぬ世話になったから、自分の大切にしている懐中時計を差し上げたい」と言われた。

 これから仮設住宅を出ていくにあたり、家を新たに建てるか公営住宅に入るにしても家財道具を揃えなければならず、入用のことばかりあるのに私たちになにかしてあげたいと思ってくださった。

 私は「お心だけ十分にいただきます」と丁重にお断りをしたが、そういう人間関係がここ真備町でも出来てきている。
 後日、被災を間逃れた大切な写真パネルを集会所に持参されて見せてくださった。本来ならばお金を払って見せていただくべき写真は、倉敷の街並みを写されたもので、素人の私が見ても非常に趣のあるものだった。ありがたく拝見させていただいた。
 このように、私たちは被災された方々に「なにかさせていただきたい」と思って現地に行き、被災した方々も私たちに「なにかしてあげたい」と思っていただける関係性こそは、あいよかけよの働き合いに違いないと思っている。

 そして、この「なにかさせていただきたい」という思いは、本部職員の方々にも多くあり、たくさんの方が毎回参加してくださっている。
なかでも、本部境内の案内書におられる三好和子先生は、やはり「なにかさせていただきたい」とずっと思っておられ毎回参加してくださっている。主婦であり母親であることは、家事を置いて参加くださっているということで、そのご家族の皆さんも不自由することをボランティアとしてくださっていることになる。

「自分のこと先生って呼ばないで!何もできていないから!」と口ぐせのようにおっしゃいながら、年間を通して一番辛い酷暑の活動にご用くださる姿が非常に神々しい。

 このような方に出会うことで、私たち救援隊員も気持ちが引き締まる。

悲嘆に暮れる被災者の方々に寄り添っていけるよう、今後も活動に尽力してゆきたいと思う。

教区の先生方をはじめ、信奉者のみなさまには、いつも暖かい励ましのお言葉やご支援の数々をいただき、ありがとうございます。このたびも、事故や怪我もなく活動を終えさせていただき、真備町の被災された方々に喜んでいただくことができました。今後とも、ご支援のほど、どうぞよろしくお願い申し上げます。       
(文責・竹内真治)