平成30年7月豪雨災害 第7次派遣(2/18-2/19)
○全体をとおして
このたびの「光キッチン」には、金光図書館スタッフをはじめ、学院職員や金光新聞、ご本部広前部・金光清治次長の奥様、お嬢様にもご協力いただき、大勢のスタッフで活動を行うことができた。
これだけたくさんのスタッフをいただくことができた理由として参加くださったみなさんがおっしゃるには、「真備町は金光町のお隣であり、言わば金光様のお膝元でありながら、仕事(ご用)や家庭を支える主婦でもあり、なかなか社会福祉協議会のボランティアセンターにも行くことが叶わず、何かさせていただきたいのに葛藤をしていた」ということであり、喜んで参加くださった。
女性の力は本当に大きくて、初参加にもかかわらず作業は丁寧で、被災者の方々に寄り添う心がとても優しくて非常にありがたかった。
昼食中も、ご飯が炊きあがったからとすぐに席を立たれるなど、一生懸命に暖かい気持ちを持って最後までご用にあたってくださり、そして帰りがけには、今後の支援についても約束してくださった。
被災地では、住宅の泥かきや解体作業が進み、仮設住宅が一杯になってくると、本格的に私たち救援隊の出番がやってくる。コミュニティー作りや寄り添いの活動であり、心の支援となっていく。
だんだんと被災者の方々と顔見知りになってきた救援隊員の行う「光キッチン」は、いつものように大好評で、仮設住民の方からは「また来てくれたんだね」と喜んでいただき、だんだんと深い話ができるようになってきた。
「グリーフケア」という言葉がある。
簡単に言葉の説明をすると、「身近な人と死別して悲嘆に暮れる人が、その悲しみから立ち直れるようにそばにいて支援をしたり、寄り添ったりすること」である。
2月23日に、東京大学大学院名誉教授であり、上智大学特任教授、そしてグリーフケア研究所所長である島薗進教授に呼ばれて上智大学で講演をしてきた。
私たち金光教大阪災害救援隊のここまでの活動を発表すると、会場の方々から、私の言葉では言い表しがたいほどの評価をしていただき、会食の席まで大盛り上がりであった。
朝日新聞東京本社の方にも「東京からですが応援しています。また取材を・・」というメッセージをいただいたり、記憶にも新しい東京の世田谷一家殺人事件の被害者遺族の方にもお声がけいただき「共感する部分がある」と会食までご一緒くださったりして、非常に貴重な機会となった。
そのなかで、何がいちばん人の心を惹きつけ、私たちの活動で共感してくださった内容だったか考えると、やはり私たちの「寄り添いの活動」こそが、宗教者としての一つの重要な役割として社会に認められたのではないだろうかと思う。
他宗教の幹部の方々と話すなかで、「実際、ここまでの活動は出来ない」と言われた。なかなかここまで寄り添って活動することは難しいことだと自分でも思っていたが、時間をかけてそれが出来るようになってきた。
非常に個人的な意見となるが、昨今、全国で災害が発生し、いろんな現場に金光教大阪災害救援隊が出向いていく。金光教の知名度が薄い東北の地から始まって、熊本、大分、岡山県・真備町などなど。
私たちは布教目的で現地に駆けつけているのでは決してないが、結果、私たちが何度も何度も被災地に通うことによって、自然と金光教の名広めになってきているのではないかと最近思うようになってきた。
大阪大学や各新聞社、その他、さまざまな人と現場で出会うことで、論文に書かれたり、新聞に載ったりする。そして金光教の内部の人間ではない一般の方から、「応援しています。頑張ってください」と言っていただけるようになってきた。
何度も言うが、全国で災害が起こり、その被災地を走り回っているうち、無自覚に金光教がリバイバルされるような活動に自然となってきているのではないだろうかと思う。
これは、ひとえに快く送り出してくださっている教区の先生方をはじめ、信奉者の方々のご祈念、後ろ盾があるからに他ならないと思い、改めて感謝の気持ちを持って活動に力を入れたいと思う。
教区の先生方をはじめ、信奉者のみなさまには、いつも暖かい励ましのお言葉やご支援の数々をいただき、ありがとうございます。このたびも、事故や怪我もなく活動を終えさせていただき、真備町の被災された方々に喜んでいただくことができました。今後とも、ご支援のほど、どうぞよろしくお願い申し上げます。