平成30年7月豪雨災害 第5次(10/25-10/26) 第6次(11/22-11/25)

派遣報告書

平成30年7月豪雨災害 第5次(10/25-10/26) 第6次(11/22-11/25)

○全体をとおして

 いよいよ、「平成30年 7月豪雨」における救援活動も本格的に始動した。
 ここまで、いろんな場所を転々としてきたが、被災者の方々も状況が変わり、避難所から仮設住宅に移るタイミングで少しづつ生活が落ち着いてくる。このタイミングを見計らって、救援隊もいよいよ一か所に場所を決めて支援をする。
 第5次派遣では、真備町「市場仮設団地」にてカフェを開催し、住民と行政と私たちでテーブルを囲んで話し合う機会を得た。そして、次回から金光教大阪災害救援隊は「炊き出し」や傾聴活動を行う約束をした。
 住民にとっても定期的に同じ顔触れのボランティアが訪問することで安心感が得られ、救援隊にとっても長期的な経過がわかり、時間の経過とともに、何が必要かという支援の内容も変化していくことができる。
 回数を重ね、経験を積んできたことで、救援隊の活動もスムーズになってきており、救援活動における戦略的なものも立てやすくなった。
また今回支援に入っている場所が、岡山県の真備町という、金光教本部から車で30分もかからない場所ということで、地の利があり、宿泊も修徳殿に泊めていただける。本部職員の派遣もいただけることで、かなり人員や経費の削減にもなっている。

 第六次災害派遣から本格的に活動の拠点とした「市場仮設団地」は、真備町の少し高台にあり、全体で53戸の仮設住宅となる。抽選で入居者は決まっていたが、訪問時点では入居者数は少なかった。これがどういうことかと言うと、入居しても生活の基盤が整っていないので生活が出来ないということである。
 つまり生活をするには、家電製品をはじめとする生活用品が必要だが、それが全く整っていないため、新しい生活をスタートできないのだ。
 東日本大震災時は、仮設住宅が次々と出来始めると、皆が挙って入居した。日本赤十字からは家電5点セット(6点セットもあった)をいただけたり、それなりに生活を始めることが出来たが、この「平成30年7月豪雨」においては、全く対応が違って、そこまでの行き届いた支援が受けられないと聞いた。
 これだけ毎年毎年、全国各地で災害が起こって、被災者や仮設住宅が増えてくると、仕方のないことなのかも知れないが、それでも地域性や格差を感じる。
 行政と我々ボランティア団体との話し合いの場も何度も設けられて、私たち救援隊も会議に参加した。そのたびに、「仮設住宅の集会所の外にはせめて水道のひとつでもつけてあげないと、暑い日に水を撒くこともできない、花壇すら置くことができないし、生活をするうえで住民が困りますよ」という意見を毎回申しても、それすら聞き入れてもらえない現状がある。
 決して文句を言っているわけではなくて、行政の方々も一生懸命に業務に携わってくださっているのだが、なかなか手が回っていないことがあったりするということであろう。
 そいうこともあって、結局、仮設住宅に移っても食器の一つもない状況で生活すら出来ない。毎日の仕事(職業)を抱え、生活用品をひとつずつ揃えながら、ギリギリまで避難所に居なければならないという現状がある。一日も早く安心して暮らしていただけるよう、願うばかりである。
 第六次派遣では、初めての「市場仮設団地」での「炊き出し」となるので、救援隊名物の「焼肉丼」を提供した。二日目は新メニューの「あんかけ焼きそば」とした。
住民の方々は非常に喜ばれて、集会所へ足を運ばれた方々とスタッフがコミュニケーションを取ることができた。
このたびの派遣には我々のスタッフに加えて、大阪大学大学院の教授、院生、学部生もたくさん参加してくださったので、人数にも余裕があって多くの方と話すことができた。
 傾聴活動の始まりであった。
なかでも園田奈津美隊員は、愛媛から特産物のミカンを二箱も持参され、それを「炊き出し」のときに一緒に配られた。「愛媛のみかんです」と一人ずつ声をかけると、仮設住民のなかに愛媛県出身の方がおられ、「愛媛のどちらですか?」「近いですね」などと話もはずみ場が和んだ。久しぶりに一緒に活動をさせていただいたが、かゆい所に手が届く働きをしてくださり助かった。
学院職員の由布隊員も、ご存知の方もあると思うが、見事なまでに完璧な仕事で活動を支えてくださった。
本部職員が挙って参加してくださることは、被災地にとって大きな力となっている。特に、このたびは、ご本部のお膝下で起こった災害であり、岡山県だけでも14000棟以上の家屋が全半壊し、60名以上の死者も出している。岡山県の水害では戦後最悪となり、数えきれないほどの方が苦しんでいる。これを放っておくわけには絶対にいかない。
 今後も、被災した方々が少しでも安らいでいただけるような働きをしていきたいと思う。
以上、「平成30年7月豪雨」における第六次災害派遣の報告とさせていただきます。
教区の先生方をはじめ、信奉者のみなさまには、いつも暖かいお言葉や、たくさんのご支援をいただき、ありがとうございます。これからも頑張って被災された方々のお役に立ってまいりたいと存じますので、今後ともご支援のほど、どうぞよろしくお願い申し上げます。