平成30年7月豪雨災害 第2次派遣(2018/9/6~8)
平成30年7月豪雨災害 第3次派遣(2018/9/11~12)
○全体をとおして
220名以上の犠牲者を出した「平成30年7月豪雨」から3か月余りが過ぎた。
ここまで救援隊では、先遣隊を送ったあと、本部が開放している修徳殿に宿泊する方への支援をしてきたが、いよいよ全容が明らかになるにつれて、救援隊として現地に赴いて被災者の方々に寄り添って支援活動を行う時期が来た。
第二次災害派遣では、9月6日、大阪大学大学院の稲場教授と連携して、岡山県で最初に建設された「柳井原仮設団地」(トレーラーハウス)の視察をし、今後の支援の方途を探った。
そして、9月8日には、この仮設団地に抽選で入居が決まった方々に、鍵の受け渡しが行われ、仮設住宅の使用方法やある程度のルール決めなど、住民への説明会が開かれ、その際、倉敷市・倉敷市社会福祉協議会・倉敷市災害ボランティアセンターの方から、「今後の行政とボランティアの関わり方について協議したい」との打診を受け、私たち救援隊もその会議に参加した。
会議には約30団体のボランティアが出席し、どの団体がどのようなことが出来るのか、また、さまざまな意見が出し合われた。
その際、私たち救援隊も、「金光教大阪災害救援隊」の得意とする活動は「炊き出し」であることや、ここまで東北や熊本の仮設住宅を見てきた経験から意見を述べた。
後に記載するが、その後、「まきび荘」での「炊き出し」を見た社会福祉協議会、災害ボランティアセンターから、「金光教さんの炊き出しが非常に良いので、他所でも行っていただくことは可能でしょうか」という問い合わせや、依頼が何度も来ている。
この「柳井原仮設団地」には、51世帯の方が住むことになり、仮設のタイプも4種類、広さもまちまちで、抽選で入居先が決まる。住居としては、かなり分厚い断熱材が床にまで使われていたり、三重のサッシが付けられることで、2.2KWのエアコンで足りるとのことであった。
私個人の意見としては、仮設住宅ではあるが、家族で住むことを考えると、もう少し広さやプライバシーの面、会議の席でも発言した内容ではあるが、外に水道がないことなど、配慮してもらいたい部分がたくさんあった。
どちらにしても、一番最初に出来た仮設住宅ということで、マスコミほか、ボランティア団体などからも注目されている仮設団地である。
私たち救援隊も、今後の支援として考えている場所の一つである。
第三次災害派遣では、当初、上記の仮設団地において、さっそく大阪大学チームと協力して「炊き出し」を行う予定を立てていたが、入居者の引っ越しも思うように行えておらず、三分の一も入居出来ていないとの理由から断念し、そのかわりに、ここまで大阪大学チームが支援を続けてきた「まきび荘」(約50名が入居している避難所)において行った。
「まきび荘」の管理をしている方々からも依頼を受けて、昼食の補助と、夕食の「炊き出し」を行った。
避難所では、朝昼兼用でパン一つとおにぎり二つ、夕食はコンビニ弁当一つが配給になるが、これまで話してきたように、もうすでに同じものばかり毎日食べてきていることに飽きてきた被災者の方々は、暖かい「炊き出し」を非常に喜ばれた。
また、これまでの経験とフットワークの軽さを生かし、「まきび荘」で作った「炊き出し」を、「柳井原仮設団地」に出前をすることもできた。私は「まきび荘」で調理を担当し、出前は白神隊長と稲場教授(大阪大学)たちにお願いしたが、出前に行った「柳井原仮設団地」にOHKのテレビクルーが取材に来ており、隊長がインタビューを受けて9月26日に放映された。放映された直後にも、放送を見た倉敷市ボランティアセンターの担当者から電話があり、「まきび荘でも、テレビでも見ましたが、金光教さんの炊き出しが規模も内容も凄いので、ぜひとも今後、お願いしたいです」との依頼を受けている。
9月30日も、倉敷市社会福祉協議会から依頼を受けていたが、台風接近のため、準備をしていたが「炊き出し」は中止とした。その後も依頼は続々と来ている。
救援活動を始めてからここまで、行政から依頼を受けることはなかったが、ご本部から車で30分かからない場所が被災地となり、金光教のお膝元で起こった災害に金光教の人間に名指しで依頼が来て活動できることに喜びを感じている。
なによりも、行政から「金光教さんの炊き出しが規模、内容ともにすごいからお願いできませんか」という依頼がきたことは、私が7年半前に東北の被災地で、手も足も出なかったことを思い出したとき、本当にここまで、みなさんに支えられて、ご支援いただいて、最初はスーパーで買った千円ほどの包丁一本と、まな板一枚、教会から持ち出した机ひとつと現地のNPOからもらった鍋ひとつしか持っていなかった救援隊が、よくぞここまできたものだと思わせていただくことができた。
ここからも、「平成30年7月豪雨」で被災した方々のお役に立たせていただけるよう、頑張っていきたい。
教区の先生方をはじめ、信奉者のみなさまには、いつも暖かい励ましのお言葉や、たくさんのご支援をいただき、まことにありがとうございます。
これからも、支援活動をすすめてまいりたいと思っておりますので、今後とも、どうぞよろしくお願い申し上げます。