熊本地震第22次派遣、九州北部豪雨第8次派遣(2018/8/20~25)
○全体をとおして
最大で90世帯近く入居していた「安永仮設団地」も退居世帯が増え、約半数の45世帯にまで減った。前回から記載してきているように、残った住民の方々がだんだんと寂しい思いをする時期が到来した。
このたびの派遣は、「大阪北部地震」や岡山県・広島県などが被災した「7月豪雨(西日本豪雨)」の直後にあり、熊本派遣についての是非を考えたが、上記のように、熊本も厳しい局面を迎えている理由により、住民のみなさんとの約束を守り派遣に赴いた。
当日、熊本には台風が接近しており、仮設住宅に到着ののち、まずは「炊き出し」が開催できるかどうかという話になったが、隊長と協議の末、本隊からは三宅隊員、四国から塚本隊員、長野隊員と、臨機応変に対応してくれる優れた隊員が参加してくれていることで、不安なく行えるという結論に至った。
22日に台風が接近する可能性が高くなったので、「炊き出し」初日を前倒しして21日に行ったが、隊員一丸となって準備不足を補った結果、無事に初日を迎えることができ、住民の方に喜んでいただくことができた。
熊本県・坪井教会の豊永氏は、塚本隊員が声をかけてくれて今回参加してくださったが、彼も同様によい働きをしてくれて助かった。
台風が直撃すると予想された22日には、住民の方々の安全等を考え、「炊き出し」は中止したが、仮設住宅の集会所で「食事会」を開いた。ここではお酒も振る舞い、仮設住宅暮らしで溜まったものを少しでも軽減できるよう心掛けた、また、隊員との交流の良い機会となった。
結局、台風は反れて雨風もたいしたことはなく、おかげをいただいた。
保育園でのイベントも非常に喜ばれ、子どもたちは心待ちにしている。これは自費での活動になるが、最初は白神先生(大阪教会・白神紀美雄先生)が落語家とマジシャンを連れて来てくださってから、今回で10回目となった。最近ではSNSなどを通じて保護者の方々からもお礼の言葉や励ましの言葉をいただいている。これもよく続いたなと思う。
仮設では、台風対策を住民のみなさんが行ってくださり、私たちが洗い物をする場所や、テントを張っている場所に養生をして、雨風がかからないようにしてくださった。
私たちが訪問をするときは、雨が降ることが非常に多く、そのたびに、仮設住宅の住民の方々が工夫してくださった。
「いつもすみません。迷惑になっていませんか?」とうかがうと、決まってその方たちは、「俺たちも楽しんでやっているから」と笑顔で返してくださる。本当に良い関係性ができていると思う。
東北の被災地の仮設住宅を見て来て思うのは、数年後にはこの熊本の「安永仮設団地」のみなさんがそこを出ることになるが、例えば宮城県石巻市小渕浜の仮設住宅のように、焦らなくてもいいから、行政ともよく話し合って、納得して次のステップに進んでもらえたらいいなと思う。自分にはご祈念をすることしかできないが、小渕浜のMさんは、「駐車場も広いし、平屋だけど間取りも自分で決めさせてもらえたし、やっと安心して過ごすことが出来る」と喜ばれた姿を見たときには、手を取り合って喜んで、一緒に涙を流すことができた。
この熊本の場合も、そうであってほしいと願う。
私たちが帰り際には、「次はいつ来てもらえますか」と尋ねられたので、「今回は次の日程を決められずに帰りますが、年内にもう一度来られるように、みんなでまた話し合います」と言って別れた。やはり寂しい思いをなさっておられるからこその発言であり、後ろ髪を引かれる思いであった。なんとか年内にもう一度訪問したいと思う。
大分県に移動して、大鶴教会近くの公民館で「炊き出し」を行ったが、被災した近隣住民の方々が集まってくださり、非常に雰囲気の良い集いとなった。
大鶴教会の教会長先生もその場に来てくださり隊員一人ひとりに声をかけてくださった。
大阪大学からは、初参加の北川茉歩氏が全日程参加してくださり、非常に厳しい行程にもかかわらず、一生懸命に働いてくださり、新たな戦力となった。「今後も救援隊と一緒に活動をさせていただきたい」と約束をしてくれている。
以上、簡単ですが、第22次「熊本地震」ならびに、第8次「九州北部豪雨」災害派遣の報告とさせていただきます。
教区の先生方をはじめ、信奉者のみなさまには、いつも暖かい励ましのお言葉や、たくさんのご支援をいただき、まことにありがとうございます。
引き続いて、熊本、大分、岡山など、被災地の支援をさせていただきたいと思っておりますので、今後とも、ご支援、ご協力よろしくお願い申し上げます。