熊本地震第17次派遣、九州北部豪雨第3次派遣(2017/9/25~29)
◎全体をとおして
このたびも、仮設住宅に到着すると、みなさんが待ち受けてくださっていて、前述のように、案山子に「おかえり」と書かれた札が下げてあった。
私たちを、帰ってきた息子のように迎えてくださっている。
「炊き出し」では、予算の都合もあり、手を変え品を変えメニューを変えながら工夫をしている。今回は、串カツと鶏ごぼうご飯にした。
串カツは、我々大阪人には非常になじみのあるメニューであり、簡単で美味しい。これは現地でも非常に喜ばれ、次回は何が食べたいですかと尋ねると、「また串カツが食べたいです」とリクエストをいただいた。
大分での「炊き出し」でも、たこ焼きが食べたいというリクエストがあり、私の感覚では、たこ焼きは主食ではなくおやつの部類に入るので、もう少しお腹の足しになるものをリクエストしてもらってもいいと思いますよと言ったが、大阪人の作るたこ焼きは、非常に人気があるようで、常に行列が絶えなかった。
保育園でのミニオンのイベントも4回目を迎え、今回はミニオンの人形焼きを手渡すと、子どもたちがお礼に運動会で披露する組体操を見せてくれた。その後、いつものようにガチガチに緊張した代表園児の男女2名が前に出て一言ずつお礼を言ってくれるのだが、女の子の方が「もう会えないのかと思っていました。また会えて嬉しいです」と言った。どうやら、前回で終わりという噂があり、園児は心を痛めていたようであった。子供の口からその言葉が出た瞬間に、園長先生はじめ、数名の先生が涙を堪えられなかった。
小さな子どもが、こんなことを思っていたんだと思ったときに、四代金光様のあの有名なお歌が心の中に浮かんだ。
「育ちゆく 者のお役に 立つことを 喜びとなし 我も育たん」
自分の子どもであるとか、そういう分け隔てなく、皆同じように神様の氏子であって、その育ちゆく子どもたちのお役に立たせていただけることを喜びとして、よし、もうひと頑張りお役に立たせていただきたいと心に誓う瞬間でもあった。
また、今回は、大阪大学の大学院の入学試験と日程が重なったため、大学院生の方々の参加がなかったが、それでも、地域や仮設住宅の住民の強力なバックアップもあり、難なくご用を進めさせていただくことが出来た。
我々と住民が一体となって活動をすすめ、そして、住民の方が他の住民の方を気遣い、弁当を持って一人暮らしのお宅に尋ねてくださるなど、非常に良い方向に向かってきている。
そして今回も、前回と同様に大分県に移動をして大鶴地区で「炊き出し」の活動をした。
当初は、ボランティアや作業員が先日の台風被害が大きかった大分県南部方面に移動しているということもあり、20名程度の「炊き出し」をということであったが、当日になってみれば、地域住民40名ほどが参加され、また、通りすがりの小中学生にも「たこ焼き」などを振舞うと非常に喜んでくれた。結局、50名強の「炊き出し」となり、地域の住民の方々に非常に喜ばれた。
スケジュール的に、熊本から大分に移動して「炊き出し」をすることは非常にタイトで厳しい日程となるが、一人でも多くの方のお役に立てるようこれからも頑張っていきたいと思う。
余談になるが、隊として考えていることは、そろそろ、時期的にも、緊急性を必要とする「炊き出し」ではなく、地域のコミュニティー構築のための「炊き出し」活動であることから、「炊き出し」というネーミングも変更するべきであると考えている。今のところ、「オープンキッチン」という名称を考えているが、相応しいネーミングをお考えいただければ、ぜひともご提案くださればと思う。
以上、第17次「熊本地震」、第3次「九州北部豪雨」における活動報告とさせていただきます。
教区の先生方はじめ、信奉者のみなさまには、いつも心温まる励ましのお言葉や、支援の数々を頂戴し、まことにありがとうございます。
今後とも、お世話になりますが、どうぞよろしくお願い申し上げます。