熊本地震第14次派遣(2017/5/24~27)

派遣報告書

〇全体をとおして

 ここまでの「熊本地震」における災害派遣の活動報告書をお読みいただいて、四国教区青年教師の参加が非常に多いことは、既にお分かりのことと思う。これは、現教団会議員である塚本一眞師(愛媛県・今治教会)が参加されたことに始まり、四国教務センター所長である塚本道晴師(愛媛県・来見教会長)が「熊本県は海を挟んであるが、お隣の県として考え、出来れば大阪災害救援隊の活動にお邪魔にならないように、一人でも多くご用させていただければ」との願いのもと、たくさんの優秀な人材を送ってくださっている。
このたびは、越智清志師(愛媛県・川上教会長)が隊員として参加され、「炊き出しで使っていただけるならば」と、たくさんの玄米を持参くださった。

活動としては、経費の削減という観点から、このたびから隊員は仮設住宅にテントを張って宿営することにした。しかしこれは、地域住民との関係性が出来てきたことにより実現したことで、寝食をともにすることで、仮設住宅の住民との距離もさらにグッと縮まる良い機会となった。
また、派遣の内容の一端、新たな試みとして、熊本県益城町にある「空港保育園」および、「第二空港保育園」において、園児たちに対するイベントを行った。(※空港保育園は「炊き出し」を行っている益城町安永仮設団地に隣接している)
隊員はユニバーサル・スタジオ・ジャパンのキャラクターである「ミニオンズ」に仮装し、園児たちにミニオンズのクッキーを配った。

園児たちは「ギャーギャー」と大喜びでキャラクターの模様の入ったクッキーを受け取り、最後には百数十名の園児が「ありがとうございました!またきてください!」と元気いっぱいに声を合わせてお礼の言葉をくれた。

次の日には、先生と園児数名が代表して炊き出しの準備をしている仮設住宅まで、皆で書いた手紙を届けてくれた。(※その園児の手紙は本部教庁一階に展示の予定)
この保育園には「熊本地震」によって家が全半壊になり、仮設住宅や、みなし仮設住宅から多くの園児が通っている。
辛い思いをし、未だ不自由を強いられている子どもたちに「何かさせていただけたら」という隊員の気持ちから、今回のイベントにこぎ着けることができた。今後も続けられたらと思う。

また、肥後浜町教会の橋本師(なんきゅう支援隊)と情報交換をし、今後、お互いに協力し合って活動が出来る道を模索した。今後、実現できることは協力して進めたい。
さて、この度の災害派遣において、東日本大震災のときのことを思い出す場面があった。
これまで、熊本での「炊き出し」は二日間にわたって開催してきたが、諸事情により、今回はテストケースで「炊き出し」を一日型にした。その途端、被災者の方々から「もう終わりですか?」「いつまでですか?」「会えなくなるんですか?」と悲しそうな表情で聞かれる場面があり、切なかった。いつかはそういう時がくるかも知れないが、東日本大震災の際によくそのように言われたことを思い出した。
それでも、「終わりはまだ決まっていません。細くても長く続けさせていただきたいとの隊の方針ですので」と言うと、「私たち、出来ることは何でもします。手伝いでもなんでもしますから必ずまたきてください」と安心されて喜ばれるということがあった。

私たちの訪問を月に一度の楽しみとしてくださっていることを実感することができた。
また、次回「炊き出し」の申請を熊本県上益城郡にある「御船保健所」に出してから帰阪するという流れがあるが、このたびも申請を出すと、いつもの担当者の方が留守にしているということで、他の方が担当してくださっていた。
保健所内でも、長く「炊き出し」を続ける私たちのことが評判になり、評価が高いらしく、「長い間のご支援、ほんとうにありがとうございます。お世話になります」と、会う方会う方、全員に言われ、知らない人には「ほら、いつも申請を出しにこられる、大阪からきてくださるボランティアの方です」と紹介をいただき、「ああ、あの方々ですか!」というやり取りがあり、そうこうしているうちに、担当者の方が大急ぎで帰って来られた。
「なんか、急がせたみたいですみません」と言うと、「いえ、本当にいつも感謝してて、来られていると連絡があったもので、急いで帰ってきました」と言って手続きをしてくださった。役所の方までもが協力くださって活動をすすめることが出来ている。

このように、救援活動に行くには、その準備と後片付けということがあり、報告書には記載されない前後の日程がある。
手前味噌な話ではあるが、例えば森田隊員はその出発までの準備を入念に行い、買い忘れたり備品の管理に抜かりがあることはない。備品の内容はすべて彼の頭の中、あるいはノートの中に記されている。どこに何があり、消耗品はどれくらい減っているかが管理されている。帰阪してからも、寒い中、暑い中、何日もかけて後片付けに追われる。
どうしても活動の中身にばかり目がいくが、そういう縁の下から救援隊を支えている隊員が居るということを、ひとつ今回はご紹介させていただいた。

教区の先生方をはじめ、活動をご支援くださる皆様方には、いつもいつもお祈り添えを賜り、おかげをもちまして、このたびも事故や怪我もなく活動を終えさせていただくことができました。本当にありがとうございます。
このうえともお世話になるばかりですが、ご支援のほど、どうぞよろしくお願いいたします。