熊本地震第8次派遣(10/17~21)

派遣報告書

熊本地震第8次派遣

◎全体をとおして

 今回は、新たな試みで、「たこ焼き」と「美容室」を行った。
 たこ焼き機は、玉水教会の湯川先生にお願いして快く貸し出してくださったものであった。「難しいですよ」と言われてあり、現地に行って、やはり練習をしておけばよかったと後悔したが、それでも心のこもった「たこ焼き」に被災者の方々は感激なさった。
 「美容室」を行うと非常に喜ばれ、今までにない被災者の一面を見ることができた。カットをされながら、「私は、どこそこで被災をして家が全壊して、、、」と心の内を語られる被災者は、カットが終わるころには、満面の笑顔を見せられ、美容師のY氏に「絶対にまた来てほしい!」と皆が必ず言った。Y氏は「必ずまた来て!」と何度も言われ、最初は戸惑った様子であったが、何人もカットをするうちに、「必ずまた来ます!」と約束をし、大阪に帰るや否や、「竹内さん、来月も行かれるんですよね?もしよかったら、また全額実費で行きますので、ボランティアをさせていただけませんか?」と申し出られた。

 梅田の繁華街に出店している経営者であり、超売れっ子の美容師でもあるので「あなた、一日休んだら、店に何十万円も損害を出すんじゃないのか」と尋ねると、「それぐらいで潰れる店なら、最初からやりません。それよりも、ぜひとも今度は泊りで行かせてもらいたいのですが、ボランティアさせてもらえませんか?」と申し出られ、ありがたく受けさせていただくようなことがあった。
救援隊は、どんどんと出来ることが増えてきて、そこらのNPO法人や他宗のチームにも負けず劣らずの働きが出来てきている。
 その証拠に、最近、私たちの活動が、メディアにも登場しつつある。

 被災者の方々も、何度もメディアに登場するなかで、「金光教大阪災害救援隊の方が、、、、」と言ってくださっている。しかし、我々は宗教者の活動なので、その部分はカットされて表にはなかなか出てこない。しかし、「人が助かりさえすればそれでよい」わけで、映るとか映らないとか、そんなことは全く気にしていないのだが、報道のなかで語弊を招く表現があったので、この場を借りて訂正をしておきたい。
直近で言うと、10月14日の「ミヤネ屋」では、私たちが支援する被災者が出演したが、私たちのことばかりを言ってくださったので、その部分は大幅にカットされた。しかし、私たちが支援者(教内の)から預かり、お土産として配った「ドレスタオル」はしっかりと映っていた。

 その後、NHK総合テレビで放映された(10月23日 午前10:05~10:53)『復興サポート ~熊本地震から6カ月 ボランティアが見つめた「今」と「これから」~』では、白神隊長はじめ、三宅隊員、園田隊員などが登場し、私たち救援隊の名物「焼肉丼」も紹介された。

 このなかで、NHKとしては、二日目の炊き出しが余ったと表現しているが、実際にはそうではなく、初日の炊き出しが足りなかったので、二日目の炊き出しの食数を大幅に増やしたのである。つまり、足りないよりは余った方が良いという判断のもとで余裕をもって作ったのであった。

 その仮設住宅の住民は約170名、昼食の炊き出しにすると仕事で取りに来られない方があるので、今は夕食の炊き出しにしている。初日の食数は200食作ったが、足りなかったのである。少数、外部の方が来られている分を差し引いても余るはずであった。しかし、そんなことは気にしない救援隊は、次の日には280食の炊き出しを用意した。さすがに少し余ったので、それをみんなで夕食のかわりにした。
そこを、NHKの取材班は、「仮設住宅になじまず、炊き出しを取りに来られなかった被災者の分が余った」と報道したのである。報道というものは、どうしても、創る側の先入観や価値観によって、微妙にニュアンスが変わってしまうことがある。私はわざわざ「違います」とNHKに言ってはいかないが、この部分はご覧になられた皆様も、それぞれに訂正をしていただきたい。

 これまでの東北からの経緯をみても、この熊本においても、私たちの炊き出しほど喜ばれているイベントは他にはない。教区の皆様に背中を押していただいて、被災者から「私たちのような他人のために、どうしてここまでしてくださるのか」と目に涙を溜められるほどの働きをさせていただいている。

 さらに、だんだんと隊員の育成も出来てきていると思う。本隊の森田隊員、三宅隊員はもとより、四国から参加の塚本隊員、園田隊員、長野隊員など、とくに、今回二回目の参加となった園田隊員、長野隊員は、「休んでください」と何度も言わないと手を止めないほどによく働いてくれた。園田隊員は「前回までの報告書を読ませていただきました。私なりに作成してみましたのでよろしければお使いください」と、帰るなり、この報告書を送ってくれた。

 救援隊は、総体的にみて、本当に良い働きが出来るようになってきたとつくづく思う。
これも、教区の皆様の「願い・祈り」があってこそのことだと思わせていただいております。このたびも、事故や怪我もなく、活動を終えさせていただいております。本当にありがとうございます。この上とも、なにとぞご支援くださいますよう、どうぞよろしくお願い申し上げまして、「熊本地震」における第8次災害派遣の報告とさせていただきます。